東京部長倶楽部の山木のぼるです。
2022年10月、東京部長倶楽部のメンバーへ、Harvard Business Reviewの「リーダーとして感謝を伝えることの効果を過小評価していないか」を紹介しました。「感謝していること」と、「感謝が相手に伝わっていること」は別です。リーダー本人は十分に感謝しているつもりでも、言葉にしなければ、部下には「やって当然と思われている」と受け取られることがあります。
論文の要旨
論文は、リーダーが感謝を表現する効果を実際より小さく見積もりやすいこと、そして受け手は具体的な感謝から大きな意味を受け取ることを示しています。感謝は単なる気分の問題ではなく、関係性、安心感、協力を支える行動です。ここまでが論文から受け取った要旨です。
「ありがとう」の後に理由を添える
感謝を伝える時は、単に「ありがとう」と言うだけでなく、何に感謝しているのかを具体的にします。「顧客の懸念を早く共有してくれたので、問題が大きくなる前に判断を変えられた」「会議の前に関係者の意見を整理してくれたので、議論が前へ進んだ」という伝え方です。
行動と影響を結びつけて伝えると、相手は自分の仕事が組織にどう役立ったのかを理解できます。それは感謝であると同時に、今後も続けてほしい行動を伝えるフィードバックにもなります。
見えにくい貢献を見つける
成果として目立つ仕事だけが、組織を支えているわけではありません。問題が起きる前の準備、関係部門との調整、悪い情報の早期報告、困っている同僚への支援などは、数字には表れにくいものです。
こうした貢献を部長が見つけて言葉にすると、「目立つ成果だけでなく、組織を支える行動も見てもらえている」という安心感が生まれます。
感謝を評価の代わりにしない
感謝の言葉は大切ですが、公正な評価や処遇の代わりにはなりません。「感謝しているから、それで十分」ということではなく、継続的な貢献は、必要に応じて評価や役割にも反映する必要があります。
言葉と制度の両方が一致して初めて、リーダーのメッセージには信頼が生まれます。
相手に届く方法を選ぶ
皆の前で認められることを喜ぶ人もいれば、一対一で静かに伝えてほしい人もいます。感謝は、伝える側の満足ではなく、受け取る側に届くことが目的です。相手の性格や貢献の内容を考えて、場所と方法を選びます。
最初の一歩
今週、助けられた人を一人思い浮かべてください。そして、「何をしてくれたのか」「その結果、何が助かったのか」の二点を、具体的な言葉で伝えてみてください。短い一言でも、具体的であれば、相手の受け取り方は大きく変わります。

