
肩書きを得るためではなく、人を活かし、組織として成果を生み出すために。
専門性を越えて、人、仕組み、データ、AIをつなぎ、組織として成果を出す。そのために必要な視座と実践知を、山木のぼる自身の経験から次の世代へ伝えていきます。そして、部長という仕事ならではの面白さを知り、その役割を楽しんでほしいと願っています。
なぜ、組織を離れた私が、いまも「部長」を語るのか
私は2016年の秋、30年間にわたる組織人としての生活に一区切りをつけました。
開発設計、経営革新、マーケティング、購買、製造と、ものづくりを中心に幅広い仕事を経験し、課長、部長、工場長、執行役員へと役割を広げてきました。52歳では異なる業界へ転職し、VP・執行役員として新しい組織にも挑戦しました。
振り返ってみると、私が最も喜びを感じたのは、自分自身の肩書きや成果ではありませんでした。部下や仲間が視座を高め、自ら考えて行動し、それまでできなかった成果を組織として実現していく。その過程に関わることが、組織人としての大きな喜びでした。
組織を離れた後、私の中に残った問いは、「これまでの経験を、これから何のために使うのか」ということでした。
その答えが、組織の中で挑戦する人を支えることでした。とりわけ、経営と現場、人と仕組み、専門家と専門家をつなぐ部長という仕事の価値を、次の世代へ伝えていきたいと考えたのです。
部長という仕事は、楽しい
「管理職にはなりたくない」。責任が増え、上司と部下の間に立ち、難しい判断を求められる姿を見れば、そう感じる人がいるのも無理はありません。
けれども部長には、自分一人では決してつくれない成果を、人と組織の力で生み出せる楽しさがあります。部下が成長する。異なる専門性がつながる。止まっていた組織が動き始める。その瞬間に立ち会えることは、部長という仕事ならではの醍醐味です。
私は、部長職を我慢して引き受ける役割ではなく、視野と可能性が大きく広がる、創造的で面白い仕事として伝えたい。そして、部長になった方には、その仕事を存分に楽しんでほしい。「部長になろう」には、その思いが込められています。
組織を離れて、あらためて分かったこと
独立後は、世界的な経営コンサルティング会社からの依頼による組織支援、製造業の生産性改善、医療機関の経営支援、大学発AIベンチャーの技術支援など、業種も規模も異なる組織に関わってきました。
異なる組織を外から見ることで、かえって明確になったことがあります。
組織が思うように動かない原因は、社員の能力不足だけではありません。会社の方針を現場の仕事へ翻訳し、異なる専門性をつなぎ、仕組みを活用し、現場で得られた学びを次の判断へ戻す役割が不足していることが少なくありません。
経営だけでも、現場だけでも、専門家だけでも、組織全体の成果は生まれません。その間をつなぎ、人と組織の可能性を引き出す存在。その中心にいるのが、部長です。
「部長になろう」は、昇進ノウハウではありません
「部長になろう」は、単に部長という役職に就くための言葉ではありません。
部長になる前から、自分の仕事だけでなく、組織全体の成果を考える。自分一人で成果を出すのではなく、人を活かし、仕組みをつくり、組織として成果が続く状態をつくる。そのような視座と責任を持つ人になろう、という呼びかけです。
- 会社の大局を読み、自部署の行動へ翻訳する
- 自分で成果を出すだけでなく、人を通じて成果をつくる
- 経営と現場、上司と部下、部門と部門をつなぐ
- 専門性、人、仕組み、データ、AIを統合する
- 自分がいなくても成果が続く組織をつくる
これらは、すでに部長である方だけに必要なものではありません。これから部長を目指す方、専門家から組織リーダーへ役割を広げようとしている方にも必要な考え方です。
部長とは、組織総合性を担う仕事です
部長は、すべての分野で最も詳しい専門家になる必要はありません。
異なる専門性を持つ人たちが、一つの目的に向かって力を発揮できるようにする。人、専門性、仕組み、データ、AIをつなぎ、個人の頑張りだけに頼らず、組織として最も成果が出る状態を設計する。私は、この力を「組織総合性」と考えています。
AIも、単に個人の仕事を速くする道具として使うだけでは十分ではありません。会議、報告、判断、育成、改善、ナレッジ共有の中に組み込み、人とAIがともに成果を出す組織を設計することが必要です。
一方、最終的な判断と責任、仕事の意味づけ、信頼関係の形成、人の育成は、人間が担わなければなりません。これからの部長には、AIを使いこなすこと以上に、人とAIが成果を出す場を設計する力が求められます。
「部長になろう」で届けたい3つの実践知
大局と小局を往復する
会社が目指す方向を理解し、自部署が今週取り組む具体的な一歩へ翻訳する。現場で得られた結果を、次の経営判断へ戻していく。その往復が、部長の基本動作です。
人を通じて成果をつくる
自分が最も多くの仕事を処理するのではなく、部下や専門家が力を発揮できる環境をつくる。対話、権限移譲、後継者育成を通じて、組織の力を高めます。
組織として成果が続く仕組みをつくる
個人の経験や努力だけに依存せず、仕事の進め方、判断材料、学びを仕組みとして残す。データとAIも活用しながら、変化、改善、成長が続く組織をつくります。
この場所で届けたいもの
東京部長倶楽部では、長い講義をそのまま掲載するのではなく、一つひとつを独立した「部長になろうの実践知」として読みやすく再構成しています。
山木自身の成功だけでなく、失敗や判断の迷いから得た学び、クライアントや会員から実際に寄せられた問い、HBRやMIT Sloan Management Reviewなどの経営知を、日本の組織の現場で使える形へ翻訳して届けます。
すぐに正解を示すことよりも、皆様が自分の職場を見直し、次の一歩を考えるための判断材料を残していきたいと考えています。
このテーマを届けたい方
- これから部長を目指す方
- 現役部長として、組織全体の成果を高めたい方
- 専門家から組織リーダーへ役割を広げたい方
- 経験のない分野や大きな変化を任された方
- 人とAIが成果を出す組織をつくりたい方
東京部長倶楽部との関係
東京部長倶楽部は、「部長になろう」の個別支援を終えた方が、その後も学びと対話を継続するための場です。
毎週の情報共有、会員同士の対話、半年ごとのオンライン会議、必要に応じた個別面談を通じて、それぞれの現場での挑戦を支えています。
会員数を広げることを目的とした一般募集は行っていません。
個別の伴走について
「部長になろう」の考え方を、ご自身の現場に即して深く実践したい方には、1年間個別に伴走する機会も設けています。
多くの方を募集することや、規模を拡大することを目的としたものではありません。山木が一人ひとりの状況を理解し、責任を持って向き合える範囲に限っています。
この考え方に強く共感し、どうしても個別に取り組みたい事情がある方には、門戸を閉ざしていません。まずは現在の状況をお聞かせください。双方にとって意味のある支援になるかを確認したうえで、ご相談に応じます。
部長という仕事の面白さを知り、存分に楽しんでほしい。
組織人として成功しようとする人を応援すること。
その人が自分だけでなく、周囲の人を活かし、組織として大きな成果を生み出していく姿を見ること。
それが、組織を離れた後に私が選んだ仕事であり、「部長になろう」を続ける理由です。
山木のぼる

