発言のない会議は、賛成の証拠ではない――心理的安全性をつくる部長の振る舞い

発言のない会議は、賛成の証拠ではない――心理的安全性をつくる部長の振る舞い

東京部長倶楽部の山木のぼるです。

 会議で反対意見が出ない。報告はいつも「問題ありません」。一見すると、統率の取れた組織に見えます。しかし、本当に問題がないのでしょうか。それとも、問題を口にする方が危険だと、皆が学習してしまったのでしょうか。

沈黙は同意とは限らない

 職位の高い人が先に結論を述べると、異なる情報を持つ人ほど発言しにくくなります。以前に懸念を伝えて叱責された、失敗を報告したら能力不足と見られた、といった経験が重なると、社員は合理的に黙ります。すると部長には、判断に必要な情報が届きません。

 今回参考にした記事は、Googleのチーム研究を紹介し、成果を支える要素として心理的安全性に注目しています。ここでいう安全性は、厳しい指摘を避けることでも、基準を下げることでもありません。仕事を良くするために、疑問、異論、失敗、助けを求める声を出せる状態です。

最初に変えるべきは、部長の「反応」

 部長が「何でも言ってほしい」と宣言しても、最初の悪い知らせに不機嫌になれば、宣言は無効になります。大切なのは、発言された後の反応です。

 まず「早く知らせてくれて助かった」と情報提供を認める。次に、誰が悪いかではなく、何が起き、顧客や業務にどのような影響があるかを確かめる。そして、次の行動と支援を決める。この順番なら、問題報告は責任逃れではなく、組織を守る行動になります。

リーダーも不確実さを認める

 部長がすべてを知っているふりをすると、部下は正解を当てることに力を使います。「私はこの点を見落としているかもしれない」「この判断には別の見方が必要だ」と自分の限界を言葉にすれば、他者の知識が入りやすくなります。弱さを演出する必要はありません。判断に必要な情報を集めるための、誠実な姿勢です。

率直さと高い基準を両立する

 安全な組織でも、約束を守らなくてよいわけではありません。人格を攻撃せず、事実、影響、期待を具体的に話します。意見には反論しても、意見を出した人を罰しない。この区別を部長が守ることで、率直さと成果責任が両立します。

 次の会議の最後に、「私たちが見落としていることは何ですか」と聞いてみてください。そして最初に出た意見へ、反論より先に感謝を伝えてください。組織が話すようになるかどうかは、その一度目の反応から始まります。

参考:現代ビジネス/小林雅一「グーグルが突きとめた!社員の『生産性』を高める唯一の方法はこうだ」。本記事は同記事を参考に、部長の日常行動へ置き換えて独自に解説したものです。

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