東京部長倶楽部の山木のぼるです。
2016年、GEが従来の人事評価のあり方を見直しているという記事が注目されました。業績と行動を年次で整理する制度から、より頻繁な対話へ重心を移す動きです。制度の名前より大切なのは、なぜ変える必要があったかです。
一年の初めに決めた目標は、途中で古くなる
事業環境が変われば、優先すべき課題も変わります。それでも年初の目標だけを守ると、会社にとって重要でなくなった仕事を続けることがあります。反対に、新しい課題へ対応して成果を上げても、当初の項目にないため評価されにくいこともあります。
評価が年末の採点作業だけになれば、本人は「点を取る仕事」を選びます。部長が見るべきなのは、目標を達成したかだけでなく、環境の変化をどう捉え、何を学び、どのように貢献を変えたかです。
日常の対話が評価をつくる
継続的な対話では、毎回長い面談をする必要はありません。期待していること、実際に起きたこと、良かった行動、修正すべき点、必要な支援を短く確認します。
重要なのは、期末に初めて悪い知らせを伝えないことです。改善できる時期に伝え、本人が試す機会をつくる。高い評価も同じです。「よく頑張った」だけでなく、どの行動が顧客や組織に価値を生んだかを具体的に言葉にします。
対話は甘い評価を意味しない
頻繁に話すことと、厳しい要求を避けることは別です。期待水準が高いからこそ、途中でずれを伝え、支援し、修正の機会を用意します。部長は、本人の自己評価を聞いたうえで、観察した事実と組織の期待を示します。意見が一致しなくても、判断の根拠と次の行動が分かれば、面談は前へ進みます。
制度を変えなくても始められる
会社全体の評価制度は、部長一人では変えられないかもしれません。しかし、部下との関わり方は今日から変えられます。月に一度でも、進捗報告とは別に「何を学んだか」「何が妨げになっているか」「次に何へ挑戦するか」を話す時間を持つ。そこで得た事実を、正式な評価にもつなげます。
まず部下一人と15分話し、現在の期待、良かった行動、次の一歩を一つずつ確認してください。評価は人を並べるためだけの道具ではありません。本人が成長し、組織が次の成果へ進むための対話です。
参考:WirelessWire News「人事評価の新潮流~GEが9ブロックを止めたのは本当だった!」。本記事は2016年に掲載された同記事を手がかりに、部長の評価実務として独自に再構成しています。

