東京部長倶楽部の山木のぼるです。
個別セッションで、中間評価の伝え方について相談を受けました。本稿では本人や勤務先が特定されないよう、状況を一般化して再構成しています。
匿名化した相談
「部下の目標達成状況が思わしくありません。このままなら期末には厳しい評価を出さざるを得ないと、途中で伝えるべきだと思います。しかし、評価を下げるぞと脅しているように受け取られないか心配です」
私は、中間評価を活用し、評価点を下げるという話だけではなく、目標の達成状況と改善へ焦点を当てて対話することが大切だと答えました。
伝えないことは、部下を守ることにならない
厳しい話を避け、期末になって初めて低い評価を伝えれば、本人は改善する機会を失います。「途中では何も言われなかった」と感じ、評価への納得も得にくくなります。
配慮とは、厳しい事実を隠すことではありません。本人がまだ行動を変えられる時期に、現在地を明確にし、改善のために何ができるかを一緒に考えることです。
人ではなく、目標と事実を扱う
「あなたは能力が足りない」「期待外れだ」と人そのものを評価すると、本人は自分を否定されたと感じます。扱うべきなのは、あらかじめ合意した目標、期待する行動、現在確認できる事実、その差です。
印象や他者との曖昧な比較ではなく、本人と共有した基準へ戻ります。
評価の予告ではなく、改善の対話にする
「このままでは低い評価になる」とだけ伝えれば、脅しに聞こえる可能性があります。何が変われば目標へ近づくのか、本人は何を試せるのか、上司はどの支援を提供できるのかを話します。
目標の意味が伝わっていなかったのか、必要な情報や能力が不足しているのか、仕事量や他部門との関係に障害があるのかもしれません。本人の責任と、上司・組織の責任を分けます。
支援と要求を両立する
部下の状況を理解することは、要求水準を下げることと同じではありません。必要な成果や期限を明確にしながら、達成に必要な支援を考えます。
優先順位の整理、経験者との同行、途中成果へのフィードバック、他業務の調整など、上司ができる支援があります。一方で、本人が実行すべき行動、学習、相談も明確にします。
期末評価と日常の対話を切り離さない
日常の1on1や仕事のレビューで、目標、現在地、障害、次の行動を確認していれば、中間評価は突然の宣告になりません。うまくできていることも具体的に伝え、期待に届いている行動と、変える必要がある行動の両方を示します。
評価権を使うのではなく、判断責任を果たす
上司が評価権を背景に従わせようとすれば、それは脅しになります。しかし、基準と事実を示し、改善機会と支援を提供し、それでも残る結果について公正に判断することは、上司の責任です。
最初の一歩
一人の部下について、「合意した目標」「現在確認できる事実」「目標との差」「本人が変える行動」「上司が提供する支援」「次回確認日」を一枚に整理してください。評価点を話す前に、本人が自分の現在地と次の行動を説明できるかを確認しましょう。

