計画どおりに進まない時、部長は何を見るか――PDCAとOODAの使い分け

計画どおりに進まない時、部長は何を見るか――PDCAとOODAの使い分け

東京部長倶楽部の山木のぼるです。

 計画を立て、実行し、結果を確認して改善する。PDCAは、仕事の質を高めるうえで非常に有効な考え方です。ただし、計画を立てた時の前提そのものが変わっているのに、計画との差だけを見ていたらどうなるでしょうか。

PDCAが悪いのではない

 手順がある程度定まり、繰り返しによって良くできる仕事にはPDCAが向いています。製造工程の品質改善、定型業務の時間短縮、月次運営の見直しなどです。問題は、変化の速い場面でも、当初計画を唯一の基準にしてしまうことです。顧客の要望、競合の動き、供給条件、社内方針が変われば、守るべき計画自体を見直す必要があります。

OODAは「観察」から始まる

 OODAは、Observe、Orient、Decide、Act、すなわち観察し、状況を捉え直し、決め、行動する循環です。大切なのは、単に早く決めることではありません。現場で何が起きているかを集め、その意味を考え、判断の前提を更新することです。

 例えば、納期遅延が増えた時、計画への復帰だけを急ぐと、残業や応援で一時的に穴を埋めることになります。OODAの視点では、注文構成が変わったのか、設備条件が変わったのか、情報の受け渡しに問題があるのかを観察し、打ち手を選び直します。

部長の役割は、情報と判断をつなぐこと

 現場は変化を最初に知りますが、情報が上がらなければ部長は古い前提で判断します。逆に、報告を集めるだけで決めなければ、現場は動けません。部長は、異常や違和感を言いやすくし、どの情報が判断を変えるのかを明らかにする必要があります。

 定例会議では「計画に対して何%か」だけでなく、「計画を立てた時から何が変わったか」「今の判断を変える事実は何か」を尋ねてください。そのうえで、試す行動と確認時期を決めます。

二つの循環を使い分ける

 想定外への初動ではOODAを回し、方向が定まった後はPDCAで運用を磨く。この往復が実務的です。流行の言葉へ置き換えることが目的ではありません。状況に合わせて、判断と改善の速度を上げることが目的です。

 次の会議で、計画との差に加えて、前提が変わったことを一つ確認してみてください。そこから、部長の判断は現実に近づきます。

参考:アイ&カンパニー「OODA:PDCAでは生き残れない」。本記事は同記事の問題提起を参考に、東京部長倶楽部の観点から独自に再構成したものです。

2026年追記

 この記事を書いた入江さんは、私がGE在籍中、オフィス間接作業の生産性向上についてコンサルティングをお願いした方です。その後も時々お付き合いが続いています。

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