東京部長倶楽部の山木のぼるです。
2022年の個別セッションで、優先順位表を作った受講者から、「今の仕事という観点でしか考えていませんでした」という振り返りがありました。
予定表を開くと、会議、提出期限、上司からの依頼、顧客対応が並んでいます。どれも必要な仕事です。しかし、それだけを終わらせ続けても、半年後の仕事が良くなるとは限りません。
予定表には、すでに起きたことが入りやすい
緊急な仕事には、相手と期限があります。放置すればすぐ問題になるので、予定表へ入ります。
一方、業務の仕組みを変える、将来の提案を考える、後継者を育てる、他部門との関係をつくるといった仕事には、明確な締切がない場合があります。今日やらなくても、明日すぐには困りません。そのため、重要でも予定表の外に残ります。
「与えられた仕事」と「自分でつくる仕事」を分ける
部長になるほど、誰かから細かく指示される仕事は減ります。その代わり、自部署に何が必要かを考え、まだ仕事として名前の付いていない課題を見つける責任が増えます。
将来必要になる能力は何か。今の仕組みはどこで限界を迎えるか。顧客や他部署の変化に、何を準備すべきか。こうした問いから生まれるのが、自分でつくる仕事です。
重要な仕事を、行動できる大きさにする
「人材育成」「組織改革」「新規事業」のような大きな言葉のままでは、予定表へ入れられません。
例えば「人材育成」を、「次の責任者候補と一時間話し、本人が担いたい役割と不足経験を整理する」に変えます。「業務改善」なら、「繰り返し発生している手戻りを三件集め、共通原因を確認する」とします。
重要な仕事を、最初の一回で完了できる行動へ小さくすると、着手できます。
空いた時間を待たず、先に時間を置く
重要な仕事は、余裕ができたら取り組もうとしても始まりません。緊急な仕事は次々に入ってくるからです。
先に予定表へ時間を置き、その時間を会議と同じように守ります。最初は週に一時間でも構いません。新たな緊急案件で動かす場合も、削除せず別の日へ移します。移動した回数が多ければ、現在の仕事の持ち方や委任の仕方を見直す必要があります。
私生活も、重要性から考える
仕事だけでなく、健康、家族、学びなども、緊急になるまで後回しにされやすい領域です。仕事の優先順位表を作る時に、本人が大切にしたいことも一度見える形にします。
すべてを同時に行うのではありません。何を守り、何を今は見送るかを自分で選ぶためです。
最初の一歩
三か月後に振り返った時、「あの時、始めておいてよかった」と思う仕事を一つ書いてください。それを最初の90分でできる行動へ分け、予定表へ入れてください。
重要な仕事は、どこかから届くものではありません。部長が未来を見て、仕事としてつくり、時間を与えるのです。
編集注:本稿は2022年2月の個別セッションでの振り返りをもとに、2026年に一般的な優先順位の実践知として再構成しました。受講者、勤務先、職務など個人を特定できる情報は掲載していません。

