フィードバックより「アドバイス」を求める――次の行動を引き出す質問

フィードバックより「アドバイス」を求める――次の行動を引き出す質問

東京部長倶楽部の山木のぼるです。

【「率直にどうでしたか」と聞いても、答えは具体的にならない】

プレゼンテーションや会議の後、私たちは「フィードバックをください」と頼みます。すると返ってくるのは、「よかったです」「もう少し簡潔に」といった感想になりがちです。相手は評価者になることを警戒し、人間関係を壊さない安全な表現を選びます。聞く側も、過去の自分を否定されたように感じれば、防御的になります。これでは、次の行動へつながりません。

【結論――過去の採点ではなく、未来の助言を求める】

質問を「私はどうでしたか」から「次回、より良くするには何を変えるとよいですか」へ変えます。評価ではなくアドバイスを求めることで、相手は具体的な行動を考えやすくなり、聞く側も提案として受け止めやすくなります。

何について助言が欲しいかを絞る

「何かありますか」では範囲が広すぎます。「説明の順番」「反対意見への対応」「結論の伝え方」など、改善したい点を示します。例えば、「役員が判断しやすくするため、次回はどの情報を先に出すべきでしょうか」と聞けば、仕事の目的に沿った助言を得られます。

詳しい人に聞く

役職が高い人が、いつも最適な助言者とは限りません。顧客の反応なら営業担当者、資料の分かりやすさなら初見の人、会議運営なら参加者に聞く方が具体的です。誰がその課題を最もよく観察しているかを考えます。

一歩踏み込んで具体化する

「もっと簡潔に」と言われたら、「削るなら、どの部分でしょうか」「最初の三分で何が分かるとよいでしょうか」と聞き返します。反論するためではなく、相手が見た事実と望む状態を理解するためです。

助言をすべて採用しない

複数の助言は矛盾することがあります。最終的に何を変えるかは自分で決めます。目的に合うか、別の場面でも再現できるか、自分の強みを消さないかを考え、一つだけ試します。

試した結果を返す

次回、「前回の助言を受けて、結論を先に出しました」と伝えます。成果と残った課題を共有すれば、助言者との関係が継続的な学習へ変わります。部下に対しても同じです。評価を一方的に伝えるだけでなく、「次はどうすればもっと良くなると思うか」を一緒に考えます。

部長になるほど、周囲は率直な指摘をしにくくなります。だから、自分から学びやすい問いを設計する必要があります。アドバイスを求めることは、答えを他人へ委ねることではありません。他者の視点を取り入れ、自分の判断と行動を更新するための技術です。

出典:アマンサ・インバー「フィードバックを求めるのは、もうやめよう――具体的で実行可能なアドバイスを引き出す」DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー(2021年1月14日)。本稿は同記事の問題提起を参考に独自に再構成しました。

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